あるところに、一人の農夫がいた。
相棒の馬と一緒に毎日毎日せっせと働いている。
農夫「さて、今日も働くか」
そう言って、最近入った作業場で仕事を始めた。
農夫「今のボクの仕事は岩を砕くこと。まるで炭坑夫みたいだ」
畑を耕しているだけでは生活が苦しくなってたところに募集があってここで働いている。
???「「おお!!こりゃいいのが出たな」
この人は炭坑夫のおっちゃん。
おっちゃんには色々助けてもらっていて感謝している。
小さな宝石を見つけたみたいだ。
木に寄りかかっているこの人はいつもここに居てぼーっとしているだけ。
何を考えているか分からない・・・。
???「おい、早く集合しろ!!」
大声を出しているこの人たちは今回採掘の募集をしていたウルフ盗賊団。
なんだか怖い人たちだから逆らわないようにしよう。
そして塔の上から見ている人は・・・誰だか分からない。
時々来てはこっちの様子を見てるだけ。
関わらない方が良さそうだ。
炭坑夫のおっちゃん「こいつはなかなか割れない。2人で行くいぞ!!」
本日最後の岩に向かって思いっきりツルハシを振り下ろした。
パカッ
さてさて中身はどうだろう?
ワクワクしながら岩の中を覗いた。
農夫「はぁ、、、空っぽだ」
炭坑夫のおっちゃん「ガッハッハ、そんなに世の中うまくはいかねぇ!」
ウルフ盗賊団「今回の報酬だ」
おっちゃんの見つけた小さな宝石は食料と交換になった。
報酬の分配は基本的に見つけた人がもらう物だが、おっちゃんは助け合いと言って少し分けてくれる。
炭坑夫のおっちゃん「今日もお疲れさん。ほれ、りんごでも食って明日もよろしくな」
優しいおっちゃん。
ありがとう。
相棒の馬にニンジンをあげていると
???「すまんが、どうかりんごを少し分けてくれないか」
いつも木に寄りかかってぼーっとしている人に話しかけられた。
農夫「え、えーっと」
「困ってる人がいたら助け合った方がスッキリするぜ」
おっちゃんがいつも言っている言葉を思い出した。
農夫「ぼくは大丈夫なので、これ食べてください」
浮浪者「ありがとう、ありがとう」
涙を浮かべながら、その人はまた木に寄りかかった。
農夫「はぁ、今日も疲れたけれど良い事したからスッキリだ」
そう言って農夫は眠りについた。