今日もまた岩を砕くお仕事。
でも昨日とはちょっと違う。
前回のお話
なんと、いつも木に寄りかかってるだけの浮浪者も一緒に働いているのだ。
炭坑夫のおっちゃん「お、新人か!!負けちゃいられねぇ!!」
浮浪者「ホッホッホ」
農夫「さすがおっちゃんの適応力!おりゃ!!」ガンッ
農夫「今日は何が出るかな〜」
炭坑夫のおっちゃん「くそ〜先を越された!!」
農夫「おおおおお!!こ、これは兜じゃないか!?」
興奮した様子で農夫が言った。
炭坑夫のおっちゃん「かぶと〜?なんてそんなものが?」
炭坑夫のおっちゃん「それよりも先を越されちまった!!おりゃ!!」
炭坑夫のおっちゃん「うわわわああ!ガイコツだ〜」
おっちゃんは驚いてその場から離れた。
浮浪者「ほっほっほ、おや?これはなんじゃ?」
農夫「すごい!!それは盾だよ!!」
目を輝かせながら農夫がそう答えた時だった。
ウルフ盗賊団「おい!!それを今すぐ渡せ!!」
炭坑夫のおっちゃん「ガイコツなんて早く持ってってくれ〜」
ウルフ盗賊団「違う!!その盾のことだ!!」
浮浪者「ほぉ・・・」
ウルフ盗賊団が声を荒げて駆け寄り、盾を奪った。
なんだか怖い顔をしながら話し始めるウルフ盗賊団。
やはりこの辺に・・・ゴソゴソゴソ
ウルフ盗賊団①「うわ、汚れていて汚い」
ウルフ盗賊団②「ちょっと臭い」
ウルフ盗賊団隊長「えええい、うるさい!早くあの方にお伝えしなければ!!」
ウルフ盗賊団①「ほれ、今日の報酬だ」
農夫「あ、あの・・この兜は・・」
ウルフ盗賊団隊長「そんなものは要らん!欲しけりゃくれてやる」
そういうと急いで立ち去ってしまった。
炭坑夫のおっちゃん「やったじゃねぇか!!被って見せてくれよ」
おっちゃんはニヤニヤしながら肩を叩いた。
農夫は照れながら兜を被った。
炭坑夫のおっちゃん「お!!やっぱり似合うじゃねぇか!!」
浮浪者「おやおや、危なっかしい」
農夫「えへへへ」
そう、農夫の夢は騎士になること。
昔見た騎士団に憧れて今は資金調達をしているんだ。
ここだけの話、嬉しさのあまり寝るまで兜を被り続けたんだってさ。